実績
閉鎖型植物工場の構築
温暖化による気象変動にも対応できる食料供給の安定化と、地域社会の特産品開発および雇用創出を可能とする植物プラントの構築を目指したプロジェクトとして、令和5年12月より、那須郡那須町にある廃校施設を利用し、閉鎖型植物工場の構築を開始しました。
栃木県那那須郡那須町の廃校
この学校の旧食堂施設をプラントとして再利用
株式会社TMRバイオ事業部で培われたノウハウを元に、施設内に各種機材を導入、設置の段階から日本みどりの食料システム推進協議会自身で、閉鎖型植物プラントの設備構築を実施しています。
旧食堂施設全体を圃場として整備
圃場面積(間口9m×奥行25m 225m²)
苺用多段式栽培ベンチの設置
エアコンシステムの設置
光合成促進用炭酸ガスボンベの設置
完全に閉鎖された環境で高品質な植物生産を行うため、当初の試作植物として、苺とトマト、バナナ、パイナップルを選択、特に苺は、通常、冬から春先に最盛期を迎えるが、夏場にも高品質な実を収穫できるようにすることを目的とし、各種自動化装置類に加え、株式会社TMRバイオ事業部で長年に渡り研究開発し、全国各地の篤農家に採用されている天然由来の有機無農薬資材を導入しています。
苺、バナナ、パイナップルの苗を搬入
自動潅水用タイマーの他、
高密度磁束活性水装置なども導入
漢方薬草や海藻エキス、カニ殻、カキ殻、活性炭など天然素材の研究を重ね続け、30年以上に渡る長年の研究成果から選りすぐった天然素材を用途に合わせて組み合わせて開発した有機無農薬資材(アグリキトシリーズ)
最適な生育環境(温度、湿度、CO2濃度、空気循環、光、土壌と微生物と肥料バランスなど)を実現するため、農場用エアコンシステや湿度、CO2、炭酸ガスコントローラー、波光の違うLED等を採用しています。また、交配用にはマルハナ蜂を導入しています。
苺苗の定植
苺の着花から着果
苺の収穫期
光合成促進用炭酸ガスコントローラー
LED光でも活発なマルハナ蜂による苺の交配
あらゆる環境テストで試行錯誤を行っており、温度や湿度なども様々なタイミングでの調整を試した結果、これらの試みが功を奏し、高糖度の苺の収穫に成功しました。その糖度は16度以上に達し、砂糖を食べているみたいとの声も出るほどでした。これらの結果を元に夏にも高品質で安定量産が行える設備構築を行っていきます。
一方、亜熱帯果物(バナナ、パイナップル、ライチ)の育成では、冬に一時的にかなり弱ってしまい、回復に至るまで期間を要しましたが、なんとか持ち直し、その後は順調に生育しています。閉鎖型プラントでの育成では想定外のことも多く、試行錯誤を行いながら高品質な作物の安定供給を目指しています。
試行錯誤の結果、高糖度の苺の収穫に成功
亜熱帯果物の試験として
パイナップル、バナナも順調に生育
更に効率よく、更に品質の良い作物を作れるよう新型太陽光パネルの導入、太陽光に近い新型LEDの導入、細霧システムの導入などを現在進めています。
フィルム型 太陽光発電パネル
150W 育成促進型LED
農業用細霧システムを設置
(商品名:アラスカ)
細霧システムの試験運用開始
一般社団法人 日本みどりの食料システム推進協議会では、株式会社TMRバイオ事業部が長年に渡り研究開発を行い、今なおロングセラーとなっている有機無農薬資材による土壌改良と、同じく農家と共に培ってきた数々の農業技術のノウハウを投入し、安定して高品質な食料供給が行えるしくみづくりを実践していきます。